What's Your Story?- 山田塾の先輩って、どんな人?

Mr.Kazuo Naito (Age 35)

山田塾には高校3年生の時から通い始めたという内藤さん。大学院では機械工学を研究し、総代😲で修了。大手光学機器メーカーに就職し、現在はフラットパネル(タブレットなどの画面)の開発・設計に携わってるそうです。内藤さん、お忙しい中お時間いただきありがとうございました!

現在のお仕事内容は?

 精密機械の開発・設計をしています。機械設計の仕事は、車や電車など普段目にする機械だけではなく、皆さんが見ない裏で動いている機械を作るための機械も対象となります。世の中に普及しているデバイスは、製造装置が無いと作れないといっても過言ではありません。多種ある製造装置でも、私はフラットパネルディスプレイを作るための製造装置の機械設計を行っております。皆さんが目にしているディスプレイは、想像を超える大きな製造装置がクリーンルームと呼ばれるゴミがほとんどない部屋に何百台も並んでいます。フラットパネルディスプレイ製造装置の分野では、日本の技術レベルが世界的に見ても高く、ディスプレイの発展に貢献しています。テレビ、スマートフォンは想像される通りですが、近年、オンラインミーティングやeスポーツなど、Face to Face ではないコミュニケーションが増えており、ディスプレイ需要はより高まっております。また、従来の延長線上にない、技術発展も進んでおり、常に新しい要素技術が発明・開発され、業務は多忙です。私は、要素技術を装置化するため、3D CAD を使って設計します。CAD オペレーションは、モデルを作って設計します。ゲームのような感覚です。CAD 上の物なら自分の手足のように動かせます。ゲームを経験した方はわかるのではないでしょうか。一日中、デスクワークの日もあれば、クリーンルームで実験する日もあり、頭と体をフル活用します。業務は機械設計だけではなく、物理化学、電気電子、危険物の取り扱い、法務関連、リスクアセスメントなどの専門以外のことも必要になります。予備知識として理解しないと、世の中に製品を安全に提供できません。必要なことならば、貪欲に吸収する姿勢が必要です。

はじめて社会に出て、大変だったことは?

 学生と違い、社会人になると責任ある行動が求められます。それは、自分の行動が他者に大きく影響するためです。約束・期限を守る、時間を厳守するのは当たり前ですが、他の人が行った仕事をベースに自分の仕事を積み上げるため、誰か一人でもミスをすると、チーム全体のアウトプットに影響します。チームだけだったらまだいいのですが、お客様に迷惑をかけると、謝るだけではすみません。最悪の場合、損害賠償・法的責任を負うことになります。そのため、日々の緊張感が学生とは大きく異なります。責任を持てる人でないと、仕事を任せてもらえません。この点は、社会に出て大変だと感じたことです。

社会に出て良かったことは?

 早くも10年が過ぎました。今思い返せば、あっと言う間です。大変なだけではなく、様々な業種の人と話をしたり、色々な場所に訪問することができます。仕事は大変な側面もありますが、良い刺激を受けることができます。旅行だと興味があるところにしか行かないと思いますが、仕事だと、興味のないところに行けます(行かないといけない)。仕事で行った場所が想像と違うところだったということも良い経験となりました。

 また、学生の頃と違い、関わる人の年齢層も広がります。様々な世代の人に関わり、一つの目標に進んでいくことは、仕事でないとできない経験だと思います。

5年後も同じ仕事をしていると思いますか?

 将来について明確なことは言えませんが、クリエイティブなことに携わっていると思います。世の中が気づいていないニーズを探索することは、人が驚くようなことをすることと同じ意味を持ちます。付加価値が高いアウトプットを出すためには、他人と同じことをしては駄目です。人を驚かせるようなことをやるからこそ価値があり、求められる人材になると思います。

今までの自分の人生、100点満点中、何点ですか?

 80点くらいだと思う。 高校3年生の時から、今に至るまで、全力で取り組んできたと思います。それまでの私は、将来のイメージが全然なく、何かに向かって努力することはしていませんでした。振り返ると、貴重な時間を無駄にしていたと思います。100点に届かない20点は、ここにあります。私が高校3年生の時に、友達の紹介で山田塾に通わせて頂きました。同じクラスで授業を受けている同世代の塾生たちの英語レベルが高く、衝撃を受けたのが印象としてあります。話を聞くと、中学生から英語文法の基礎をしっかり学んでいるとのことでした。基礎がしっかりしているとしていないとでは、大きな差が生まれると感じたことを覚えています。  私も中学生に混じって、60レッスンを受けさせて頂きました。S+V, S+V+O, S+V+C, S+V+O+O, S+V+O+Cの基礎英文法から関係代名詞に至るまで、今でも覚えています。基礎はパターンを覚えることです。パターンを身につければ、応用できます。繰り返し、手で書いて、言葉に出す作業はつらいのですが、基礎を固めることをおろそかにしないことです。 若いうちに、色々な経験をすることで、半年、1年、5年、10年後には大きな違いになります。若い皆さんには、私のようにならず、目の前のことに一生懸命に取り組んでほしいです。

後輩へ、何かアドバイスをいただけますか?

 私のアドバイスは、やりたいことが明確な人には、参考にならないと思いますが、初めからやりたいことが明確になっていたわけではないです。諸先輩方のご指導・ご鞭撻、身を置いた環境が影響して、やりたいことが明確になり、増えていったという感覚です。 今では、最先端のフラットパネルディスプレイ製造装置を開発する現場に身を置いておりますが、高校生のころは、自動車を作りたいと思っていました。やりたいことというのは、日々変わって当たり前だと思います。様々な人と話したり、色々な経験を積むことで、将来を鳥瞰して見渡せるようになります。中学、高校、大学、社会人では、経験の差が違います。成長したら、やりたいことは変わってくるはずです。やりたいことが無くて、焦っている人がいたとしても大丈夫です。まずは、目の前のことに一生懸命取り組んで、経験を積んでほしいです。判断するのはそれからでも十分間に合います。ここらからは、理系の人へのアドバイスです。理系の人にとって、英語を学ぶことは、難しく感じてしまうと思います。しかし、自分の専門性が高まるにつれて、英語の必要性が高まります。大学の研究室に入れば、参考論文はほとんど英語です。専門性の高い本は、英語で書かれているものが多く、深く内容を理解したい場合は、英語から避けられません。ただ、山田塾で鍛えた基礎文法、単語があれば、恐れる必要はないです。基礎がしっかりしていれば、英語で査読論文も書けます。国際学会で発表もできます。社会に出たら、海外の展示会で情報収集するためには、英語が話せないとわからないですし、メーカとの仕様交渉もできません。一流のエンジニアは流ちょうに英語を話せます。理系の皆さんも英語学習を途中でやめずに、続けてほしいと思います。語学ができるアドバンテージは相当なものです。 

山田塾で、一番思い出に残っていることは?

 授業中に塾長と千生先生がするこぼれ話は今でも覚えています。「どんな泥棒でも、人が努力して得た知識経験は、盗めない」という話は印象深いです。今でも話をされているのでしょうか。他にも、「遅かれ早かれ、誰もが教育者になる」という話も覚えています。後輩ができたり、子どもがうまれたり、人である以上、上下関係は存在します。最初は教わる立場ですが、時間がたつと教える立場になります。上手に教えることができるのは、必要です。教えるのが下手だったり、教えることをしない人には、誰も近寄りません。山田塾で色々教わりましたが、知識だけを教えるのではなく、人として大事なことも教えていたのだと思います。卒塾して10年以上たちますが、今でも忘れていません。良い思い出です。


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