What's Your Story?- 山田塾の先輩って、どんな人?

Mr.Takahiro Yamauchi

(Age 37)

山田塾は小4から大学生になるまで通っていたという山内さん。東京大学経済学部🤓を卒業後、大手海運会社に就職。2017年より、ノルウェー勤務だそうです。山内さん、お忙しい中お時間作っていただき、ありがとうございました!

現在は、どのようなお仕事をされていますか?

2017年よりノルウェーで勤務しています。私の会社は、海上運送業中心の事業を行っているので、船でいろんなものを輸送します。現在は、ノルウェーのパートナー会社との合弁会社でノルウェーやブラジルの油田から石油を運ぶのですが、その会社で財務を担当しています。

仕事内容は資金調達です。船を一隻つくるのに100億円😲ぐらいかかるんですが、そのために、主に日系の金融機関から融資を受けるための交渉を行っています。

以前から、同じ仕事をしているんですか?

2006年に今の会社に就職した当時は、経理を担当していました。その後、原油タンカーに関連した仕事(中東などで油を積んで日本まで運んでくる仕事)を行っていました。その後、企画部門という…, ちょっとマニアックなんですが(笑、うちの会社では船を800隻ぐらい運行していて、そのうち1/4は会社が持っている船で、残りの3/4は借りている船なんです。で、その会社で持っている船の管理をする仕事をしていました。大体、一つの部署で3~4年間過ごす感じですね。


なぜ海運会社に就職したのですか?

月並みな回答になってしまいますが、もともと英語で何かをしたり、外国人と仕事をすることに興味がありました(これは元を辿れば山田塾由来かなと思っているんですが)。ドメスティックの企業というよりは、海外と関われる企業がいいな、と思っていて。何社か受けましたが、今の会社がスムーズに決まったし、第一希望だったので、そのまま就職することに決めました。

あと、これは就職活動するまで知らなかったことなのですが、日本が輸入している日々の生活に使ういろいろなもののうち、98%が海で運ばれている、ということを知りました。全然知らない会社なのに、メチャメチャ日本支えてるじゃん!っていう印象が強かったです。

そうはいっても、「この会社に入ったら、どんな仕事ができるんだろう。」っていうことは就活の時に分かるものではなく、どんな会社でも、自分のイメージ通りじゃないことはあると思うのですが、僕の場合、魅力的で自分と感覚が合う社員がたくさんいた、っていうところが今の会社を選んだもう一つの理由です。

就活する時に、自分と合う・合わない、ってすぐに分かるんですか?

例えば、人と初めて会って話すとき、自分と話が合わないな〜、って思う人と、意外と話せるな、お友達になれそう、っていう人がいると思うんですけど、その感覚に近いですね。就活してて、この会社の人たちは圧力を感じるな、怖いなって思った会社もありましたし、そういう雰囲気だったら、そこがどんなに有名な会社で、お給料が高い会社でも、自分が毎日楽しく生活できるかっていうのは疑問でした。その点で言うと、今の会社は、OB訪問で出会った先輩方が、みんな優しくフレンドリーな方が多かったので、良かったです。

はじめて社会に出て、嫌だったことや、大変だったことはありましたか?

あんまりなかったですね。基本的には楽しかったです。 ただ、思い返してみると、入社したての頃は、飲み会などのお付き合いが多くて、ちょっと煩わしく感じる時はありましたね。
学生の頃は、仲の良い人と付き合って、そうでない人とは別に付き合う必要がなかったですが、社会に出て、上司・部下という関係になると、そこまでフレキシブルにはならないので。今はだいぶ変わってきているようですね。以前よりも上司が気遣いを求められる時代になったと思います。

ノルウェーの人達って、どんな感じで仕事をするのですか?

皆仕事は一生懸命やるんですが、家庭をすごく大事にしています。
僕の会社は、定時が8:30~3:30なんですが、全員定時で帰ります。 ノルウェーはほぼ100%の家庭が共働きなので、仕事を終わらせて、子供のお迎えに行って、4~5時には夜ご飯を食べます。子供は7時ぐらいまでには寝て、それ以降は大人たちの時間ですので、仕事が終わってなければそこから終わらせる、という感じです。 職場の人同士で頻繁にはあまり集まらないですね。飲み会とかに行く時は、とことん夜遅くまでやったりするんだけど、それ自体が月1回あるか、ないかなので。家庭の事情を優先していますね。日本とはだいぶ違うと思います。

社会に出て、良かったことは何ですか?

たくさんあるんですが、やはり仕事が好きです。学生時代に勉強したことを生かして、仕事ができる。今の仕事ですと、銀行さんと話をして、実際に融資契約がまとまったりすると嬉しいし、どういう条件でお金を借りたらいいのか、どうやって計算したら自分が求めている条件が導き出せるのか、という具合に、学生の時に勉強したっことを、何かを成し遂げるためのツールとして使っていて、お客さんをはじめ、周囲の方々といろいろと話したり、交渉したり、何かを達成することが楽しいです。

学生の時と違うことは何ですか?

学生の時は、何かを成し遂げることがあまりなかったんです。部活やサークルに熱心に打ち込んでいたというよりは、手を抜いていて、どちらかというと、遊んでいる感じでした。ですが仕事はそういうわけにはいきませんから、しっかりやろう、と。しっかり準備をして、考えて、お客さんとかと話して、納得のいく結果を出せることが楽しいので、学生の時とは違うな、と思います。 学生時代にやってたことは、自分のためで、自分が楽しい。ですが、社会に出てからは、自分が頑張って何かをやって、誰かのためになる。その誰かというのは、お客さんだったり、会社の仲間だったり。仕事を始めてから味わえるようになったことかなと思います。

学生の時にやっておいて良かったことは何ですか?

世界一周しました!みたいなのがあったら楽しんだろう、と思いますけど、僕は、本当に、本当に、ちゃんと勉強をしておいて良かったと思っています。 今の僕の仕事だと、お客さんと交渉したり、契約書を読んだり、書いたりすることは国語や英語の力ですし、計算は算数ですよね。もちろん、学生の時は、「これをやっていれば将来仕事に役立つ」とは思っていないんだけれど。

そういえば、大学受験の時は、国語がすごい苦手で…。高2の冬から受験勉強を始めて、志望校を東大にしたんですが、国語が一問も解けなかったんです。千生先生に、1日5時間ぐらいも解説してもらったりしていました。受験のギリギリぐらいで急に点数が取れるようになったんですけど、死ぬほど辛かったですね(笑。できないし、嫌いだったし。でも、あの時がなければ今の自分はないと思っています。

よくモチベーションを保ち続けられましたね?

その時はできましたね。当時は、将来の夢などはあまりなくて、なるべく有名な大学行ったほうが潰しが効くんじゃないかと、動機は不純だったんですが…。高校の成績も良かったので、何となく高い目標を設定して、辛くてもやるしかないじゃん、みたいなノリでした。どこかの大学で妥協しようと考えても、後でひどく後悔するんじゃないか、って恐れていたので。だから、大学に入ってからはちょっと燃え尽きました。大学に入る前までは、受験勉強とか設定されたゴールをクリアするために必要だったので勉強したまでだったのですが、大学に入ってからはそのようなゴールはなく、勉強ができたから希望する企業に入社できました、というのも必ずしもあるわけではないですからね。

夢とか、目標とかって常に持ち続けていたのですか?

昔は頭でっかちな人間で、何か目標がないとダメなんじゃないか、と思っていたり、夢とか目標を設定してそこから逆算して今日やるべきことを決めるべき、みたいに考えていた時がありました。そういう考え方をしていないと、先に進めないんじゃないかと強く思っていた時期がありました。

入社後、2、3年はそんな感じで迷走していました。というのも、船でモノを運ぶ仕事、というイメージを抱いて入社したわけですが、入社後、いきなり経理部門に配属になりました。経理って、直接お客さんのところに行って話をしたりするわけではないので、自分が想像していたものと仕事の内容が違っていたんですね。ですが、その時、家族から「そんなこと言ってないで、目の前のことをちゃんとできるようになれ」みたいに言われたことがきっかけで、とりあえず、あまり先のことを考えないようにしようと思うことにしました。与えられた仕事でも何でも、しっかりこなして、関係者の方々が満足してくれるような仕事をしよう、って考えるようになりました。

そこから、歯車がうまく回り出したのだと思います。 僕個人の考えですが、焦らなくてもいいんじゃないでしょうか。とりあえず学生のうちは、勉強は勉強で頑張ればいいと思うんだけど、自分の興味のあることを、とことんやってみてもいいと思います。

目先にあることを、あまり頭で考えないで、とことん取り組んでみることが、実はすごく重要じゃないかな、と思います。僕は、この方法で、徹底的に突き詰めていったら、いつの間にかノルウェーに来ていました。必ずしもノルウェーに来たかったわけではないのですが、いろいろな人に出会ったり、経験を積んだりして、今は来て良かったと思っています。

今僕がすごく興味を持っているのは、再生可能エネルギー(風力発電など)です。ヨーロッパはすごく盛んで、ノルウェーもちょうど転換点にさしかかっています。夢っていうほどではないですが、次にやりたいことですね。

今10代後半の人が、そこから先50年の展望を語れるわけがないんです。先ほども言いましたが、考えすぎずに、興味があることを一つ一つ一生懸命に取り組むと、向き不向きが分かるし、自分の方向もみえてくるのでは、と思います。

5年後も同じ仕事をしていると思いますか?

同じ会社に勤めていると思います。入社してから思っていることですが、やはり今の職場では、自分と感覚が合う人たちと一緒に仕事ができているので。関わる人たちも多いですし、仲間と仕事をするのは楽しいですね。 同じ会社で、別の仕事をしたいと思います。

自分の夢とか、やりたいことって、どのように探したらいいですか?

今に至るまで、僕は大きな夢を持ち続けてきたわけではないんですが、「人生楽しいな。」って思っているので、別にそれも悪くないかなって思います。

今の後輩たちにアドバイスするなら、何でもいいから、興味を持ったらとことんやってみることです。それこそYoutuberになるとかでも素敵だと思います。まずはやってみて、楽しかったらそのまま続ければいいのではないでしょうか。

あとは、「どんなことがしたいか?」というよりも、「何をやっている時が楽しいか?」または、「どんなことをしている時が幸せを感じるか?」って考えたら分かりやすいかもしれません。

例えば僕の場合、中学生頃から同じことを考えているんだけど…。一見すると、意見の合わない人と人との間に入って、潤滑油になることが好きです。AさんとBさんがいて、お互い意見が合わない。でもでもよく聞いてみると、二人は、結局は同じことを言っているのだけれど、お互いがちゃんと話を聞かないから、分かり合えない。こういうことって世の中にたくさんあって、すごく残念に思うんですが、自分が間に入って、最初は意見の合わなかった人同士が理解し合えたり、協力し合えたりするのを見ることが好きです。

それ自体は夢ではないけれど、自分の好きなことを生活や仕事の中でできるということは自分の得意を生かしているし、自分だけでなく相手もハッピーになると思います。こういうものが一つ見つけられると、何をしていても、どんな仕事をしていても楽しめるので、ある意味無敵ですね。なので、「どんなことをしている時に幸せを感じられるのかな」、っていうことを頭の片隅においていくといいかもしれません。歴史に残るような、大きなことができなくてもいいと思います。自分の人生の中で、幸せが感じられれば、それでいいんじゃないかと思います。たとえ有名な企業で働いて、年収が高くて、良い家に住んでも、日々の生活で幸せを感じられなかったら辛いと思うんです。

山田塾で一番思い出に残っていることは何ですか?

今でも忘れられないのが、小6の時に参加したオーストラリア合宿です。なにせ塾長の無茶振りがひどくて(笑。

当時の参加メンバーの中で僕が最年少だったんですけど、現地に集合したと思ったら、急に塾長から、「お前たちここで解散だ。これから町に出て銀行口座を作ってこい。作れたやつから戻ってこい〜。」みたいなことを言われて(笑。とりあえず銀行行こう、って思って行きました。当然窓口のお姉さんは困惑しますし、結局口座は開けられなかったんですけどね。

それ以来、無茶振りされることには慣れました。無茶振りは大事ですね。すごく辛いし成し遂げられなくてもいいんだけど、無茶なんだから、でも結果として成し遂げられた時にすごい成長すると思います。会社に入ってからも、無茶振りされることが多いんです。たぶん、無茶振りされる人はたくさんいると思うんですけど、ほとんどの人がそれに応えられないから、そこまでで終わると思うんです。

僕は無茶振りされると燃えるタイプで、気が付いたら色々なことが出来るようになりました。これは間違いなく塾長の教えと思っています。

自分の人生に点数を付けるとしたら、100点満点中何点ですか?

今特に不満はないので、95点です。残り5点は今後の伸びしろに期待します。


Thank you for sharing your story!